No.111 残業代ゼロ実験導入 年収800万円超想定【ニュースより】 [2013.08.22]

こんにちは。
東京港区の社会保険労務士、下中です。
本日も「ひばり人事労務コラム」
おいでいただきありがとうございます。

本日は、ニュース記事よりお伝えします。
労働時間規制の適用を除外する
「ホワイトカラー・エグゼンプション」の実験的な導入を、
一部の企業に特例的に認める方向で検討していることがわかりました。

現在は、労働時間に対して賃金を支払うという考え方になっています。
ここには、いろいろな弊害もあり、
裁量労働制やみなし労働時間制も検討されるところですが、
適用は難しい場合が多いです。
「ホワイトカラー・エグゼンプション」は、ある意味、
意義のある制度であるといえます。

しかしながら、労働時間の管理・健康状態の把握を、
おろそかにしてはならないでしょう。
労働時間が長い場合には、根本に問題があるのではないか、
と、立ち止まって考えてみていただければと思います。
そのきっかけになればと考えています。

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東京新聞 2013年8月15日

残業代ゼロ実験導入 政府方針 年収800万円超想定
政府が、一定水準以上の年収がある人には
週四十時間が上限といった労働時間規制の適用を除外する
「ホワイトカラー・エグゼンプション」の実験的な導入を、
一部の企業に特例的に認める方向で検討していることが十四日、
分かった。

年収八百万円を超えるような
大企業の課長級以上の社員を想定。
時間外労働に対する残業代は支払わない上、
休日、深夜勤務での割増賃金もない。

経済産業省は自分の判断で働き方を柔軟に調整できるようになり、
生産性向上につながるとしている。

ホワイトカラー・エグゼンプションは第一次安倍政権が導入を狙ったが、
二〇〇七年、労働組合の反対で見送られた経緯がある。
今回も労組は「過労死を引き起こす」と反発しており、
政府内でも厚生労働省からは疑問の声が上がっている。

経産省は今秋の臨時国会に提出予定の「産業競争力強化法案」に、
先進的な技術開発などに取り組む企業に規制緩和を特例的に認める
「企業実証特例制度」の創設を盛り込む方針。
この一環で、労働時間規制の適用除外の実験的な導入も認める。

法案成立後、導入を希望する企業から申請を受け付ける。

経産省によると、
トヨタ自動車や三菱重工業など数社が導入を検討しているという。
実際に適用することになれば、
本人の同意や労使合意も必要となる見込み。

労働基準法は労働時間の上限を一日八時間、週四十時間と規定。
これを超えると残業代の支払いが義務付けられ、
休日や深夜の勤務には賃金を割り増す。
現行でも実際の労働時間とは関係なく、
一定時間働いたとみなして固定給を払う「裁量労働制」があるが、
休日、深夜の割り増しはある。

東京管理職ユニオンの鈴木剛(たけし)書記長は
「多くの管理職に裁量はない。
サービス残業が常態化しているのに、際限なく働かされることになり、
過労死を引き起こす」
と批判。

厚労省幹部は
「労基法は全ての事業者と労働者に適用され、
特例を認めるのはなじまない。
労働条件は労使が加わった審議会で議論するのが原則だ」
としている。
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本日も、「ひばり人事労務コラム」
お読みいただきありがとうございました。

ひばり通信(ニュースレター)13年8月号を作成いたしました。

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ひばり通信(ニュースレター)13年8月号を作成いたしました。

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メールにてお送りいたします。
(次回より、毎月新号をメールにてお送りします。)
バックナンバーご希望の場合は、その旨をご記載ください。
お役に立ちましたら幸いです。

 

2013年8月号【目次】

01: リーダー養成とフォロワー育成の重要性
02: 時間当たり付加価値額による動機づけ
03: 高年齢者雇用安定助成金について
04: 99%の人がしていないたった1%のリーダーのコツ
(ディスカヴァー・トゥエンティワン)
06: 高年齢者雇用安定助成金チェックシート

No.110 厚生労働省「ブラック企業」実態調査開始【ニュースより】 [2013.08.12]

こんにちは。
東京港区の社会保険労務士、下中です。
本日も「ひばり人事労務コラム」
おいでいただきありがとうございます。

本日は、ニュース記事よりお伝えします。
世間では「ブラック企業」という言葉が使われています。
企業にとっては少し不利な、強引な論法もありますが、
このような話も他山の石として、
労働時間の管理や、パワハラなどの予防には、
常日頃から取り組んでいただきたいと思います。

従業員の働く環境を整えることは、
そのまま、会社の業績を上げることに繋がると考えます。
企業の継続や発展のため、
実態を把握していただくことが肝要です。

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「ブラック企業」を初調査=9月から4000社対象—厚労省
時事通信社 2013年 8月8日

厚生労働省は8日、
若者の離職率が極端に高い「ブラック企業」の実態調査に
初めて乗り出すと発表した。
同省に寄せられた情報や、
過去の労働基準関係法令違反事例に基づき約4000社を選び、
9月から立ち入り調査を実施する。
違反が判明した場合、
是正されるまでハローワークでの職業紹介の対象から除外。
悪質な違反が確認された企業については
これまでと同様に社名を公表し、送検する。

調査対象は、
離職率の高い企業約100社と、
過重労働などが繰り返されている約3900社の計約4000社。
労使間の合意を超える
長時間労働やサービス残業が行われていないかや、
適切な健康管理対策が講じられているかを重点的に調べる。

田村憲久厚労相は8日の閣議後会見で、
「若者が使い捨てにされている問題を野放しにしておいたのでは、
日本の将来はない。
ブラック企業をなくしていきたい」
と強調した。
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本日も、「ひばり人事労務コラム」
お読みいただきありがとうございました。