はれのひ 経営者糾弾と振袖文化への思い

こんにちは。
ケイリエール 下中です。
遅いですが、明けましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

そんな新年早々、なんだか不思議な、ひどい事件が起こりました。
いろいろともっとひどいのでは?という事件がありましたが、
悪質なのでは、というのと、
経営者の端くれとして、
「はれのひ事件」について考えようかと思います。

成人式当日に、予約していたお店に行ったらモヌケのカラ。
お願いしていた振袖もない、着付けもできない。

けっこう前から会社は資金的に難しかったようです。
倒産することはわかっていたかもしれません。

しかししかし・・・
そんな成人式当日に、そのまま停止するなんて・・・

倒産とか営業停止は何回か出会いました。
閉める前にうまいこと現金をゲットしてから閉める、
なんてことはよくあることでしょう。
給料が遅れている会社が100%倒産するわけでもないです。
ですが、この会社・社長、
商売人として、お客様を泣かせ過ぎです。

振袖そのものを卸している会社や、着付け師の派遣の会社など、
回収ができないかもしれないと思いながらも、
実行されたところもあったそうです。
一部のお店では、上と連絡が取れないまま、
独自の判断で営業したとか。

すべて、
「お嬢様がたを泣かせるわけにはいかない」
という思いのようでした。
事情を知った多くの呉服屋さん、レンタル屋さん、着付けやメイクの方、
協力したくださった方々も多くいらっしゃったようです。

なのになのに、この会社は、
ご厚意で振袖を納品いただき、
お客様からお金をいただいたにもかかわらず、
そのまま消えて、
その上に、お客様に納品もせずにネットで売りさばこうとしていた疑惑。
何をしでかしたのかもう書ききれないですね。

なんとか着物や着付け機会を得て参加できた方々もいたようだけれど、
どうしようもなくて泣く泣く諦めたお嬢様がたも多くいた模様。

振袖はもう「冠婚葬祭」の一つのようです。
呉服業界も売上も4割ぐらいを占めるらしいですね。
振袖を着る機会としては、
多い人で、成人式、卒業式、結婚式、
妹だったら兄姉の結婚式、ぐらいでしょうか。
お姉さまの結婚式に、お母さまの若いころの着物を着ていた
「花嫁の妹」さんも知っていますが。

振袖文化がいつごろからなのか、そうそう古くもない気がしますが、
未婚女性の正装が振袖に対して既婚女性は留袖なのだから、
『袖を切って(色)留袖にして将来も着ることのできるような振袖』
にならないものでしょうか。

昔々、わたくしはといえば。
着物などいらないと言っていたのに、
なんやかんやで母が作っていてくれました(たぶんローンにて)。
でも、着物を見た瞬間にとても素敵で嬉しくて。
しかも、
「あんたチビだから『付け下げ』にしといたよ」
との、結果的に母のご英断で、
何度着たかわからないくらいこの着物は着たおしました。
着物は帯や小物を変えるだけでもとても応用がききますし、
基本的にサイズも問題ありません。

うまいこと着物文化を利用できればなあと思います。
それに水をぶっかけたこの事件。
社長、早く出てきて、皆の前で謝罪して糾弾されてほしいです。
市中引き回しの上・・・ぐらい言いたいところですが
死刑はよろしくないので控えましょう。

成人式をプレゼントしようという運動なども起こっているようです。
着物が遠いものにならず、好きになってほしいな、と、
31年前の成人式のときの母の選んでくれた着物に出会って以来、
着物好きになった者の思いでした。

ではではまた。
ケイリエール下中理栄子