No.26 結婚休暇を取ったら給料が引かれて・・・【実例】 [2012.06.05]

こんにちは。下中です。
本日の「ひばり人事労務コラム」です。

【実例】(設定は、実際とは少し変えています。)
Fさん(♀ 32歳)は、
「株式会社NJ」の営業担当社員です。
社歴は浅いですが、前職での経験も大いに活かし、
会社からも頼りにされています。

出張が多く、会社にいることは少ないのですが、
事務担当のCさん(♀ 26歳)とはとても仲がいいです。
株式会社NJは創業して3年で、
メンバーは、社長、役員、Fさん、Cさん、アルバイトさん。
資金が潤沢とはいえませんが、なんとか維持成長をしています。
さて、仕事に打ち込んできたFさんですが、
かねてからお付き合いをしている方と、結婚が決まりました。
会社に報告すると、大変祝福をいただきました。
結婚式(披露宴)には社長が主賓で出席、スピーチもいただき、
役員、Cさんも出席しました。

Fさんは、結婚式後、新婚旅行にも出掛け、
会社は1週間のお休みをいただきました。
土曜日が結婚式、日曜はゆっくりして、月曜~金曜が旅行、
土日は普通にお休みですが、新居の準備がいろいろです。
それからしばらく経ったある日のこと。
Fさんが突然、Cさんに訴えました。
「ちょっと聞いてよ~。
給料が、1週間分、引かれてたのよっ! ひどいと思わない?!
自分の結婚よ? 特別休暇とかあるんじゃないの?!」

残念ながら、Cさんは、驚いただけで、
何も答えてあげることはできませんでした。

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特別休暇(慶弔に関するものなど)とは、
多くの会社で採用しており、
一般的に、
年次有給休暇とは別に、その理由の時に、有給で休暇を与えるものです。

結論からいうと、
法律の制限などはなく、会社があくまで任意で決められるものですので、
休んだ日に、給料を引くことは問題ありません。

休暇については、文書で明示することが必要なので(コラムNo.24)、
入社時に、
他の休日・休暇の説明と一緒に、説明する方がいいでしょう。
(定めた上で、無給とすることもできます。)

特に、創業したばかりの会社では、
途中入社の社員が多いはずですので、
「前職はこうだった」という者が必ず出てきます。
また、このFさんのケースでは、
結婚する旨の報告を受けた際に、
「休んだ分は、給料は払わない」ことを説明するとよかったかもしれません。

心情的には・・・多少の特別休暇は、あった方がいいと考えています。
もちろん、大企業の真似をしてはいけませんが。
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Fさんは、同じ調子で、いろんな人に自分の不満を訴えました。
何人か話したところで、
ようやく、自分の主張が、
必ずしも正しくない、ということがわかってきました。

もう少し丁寧に、話をすべきだったと思いますし、
会社ももう少し丁寧に説明してくれたら・・・
日程をもっと工夫したら、2日~3日は休暇を短縮できたのに・・・
今となっては言ってもしかたないですね。

ちなみに、
Fさんは、有給休暇は使えなかったのでしょうか?
残念ながら、このころはまだ、入社1年経過しての付与でしたので、
Fさんは、有給休暇の発生まで、あと1か月ありました。
今後も、有給休暇、特別休暇などについて、随時お話させていただきます。

本日も、「ひばり人事労務コラム」
お読みいただきありがとうございました。