No.35 賃金支払の5原則 [2012.06.14]

こんにちは。下中です。
本日の「ひばり人事労務コラム」です。
労働基準監督署から、事業所が指摘される事項として、
「賃金の未払い」の問題が増えています。
本日は、基礎となる、賃金支払いの原則についてお伝えします。
労働基準法第24条は、賃金の支払について定められています。
賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければなりません。
また、毎月一回以上、一定の期日を定めて支払わなければなりません。

①通貨払の原則
②直接払の原則
③全額払の原則
④毎月1回以上払の原則
⑤一定期日払の原則

ひとつずつ見ていきましょう。
①通貨払の原則
賃金は通貨(現金)によって支払わなければなりません。
ただし、労働者の同意を得て銀行口座に振り込む事は認められています。
外国通貨や小切手による支払は違法になります。
②直接払の原則
賃金は、直接労働者に支払わなければなりません。
未成年者にも直接支払わなければなりません。
※代理人に支払うことはできませんが、
使者に支払うことは認められています。
③全額払の原則
賃金はその全額を支払わなければなりません。
次の例外があります。
・法令に別段の定めがある場合
給与所得税の源泉徴収、社会保険料の控除等は認められます。
・従業員との労使協定により賃金から控除することとしたもの
購買代金、社宅等の賃貸料、労働組合費等
④毎月1回以上払の原則
賃金の支払いは毎月1回以上支払う必要があります。
毎月一回以上ですので日払いや週払いも問題ありません。
⑤一定期日払の原則
賃金は、毎月一定の期日に支払わなければなりません。
25日から月末、毎月第2月曜日などは支払日を特定できませんので、
一定期日とはいえません。
支払日が休日にあたる場合、
支払を繰り上げて支払うこと、又は繰り下げて支払うことは、
いずれも一定期日払いに違反しません。
※月末支払となっている場合、繰り下げてしまうと、
毎月1回以上払いの原則に違反すると考えられます。

よくある勘違いで、知らずに法に違反していることもあります。
例えば・・・
・遅刻を15分単位で計算し、7分の遅刻を15分として控除する。
・残業代を賞与でまとめて支払う。
などは違反となりますので注意してください。

また、それぞれのルールは、
就業規則に定めておきましょう。
他にも、細かい規定や例外などもありますので、
気になっていることがありましたら、当オフィスにお尋ねください。

本日も、「ひばり人事労務コラム」
お読みいただきありがとうございました。