No.58 有給休暇の計画的付与について [2012.07.20]

こんにちは。下中です。
本日の「ひばり人事労務コラム」です。
有給休暇の取得について、
有給推奨日と、計画的付与についてご紹介しましたが、
「計画的付与」についてもう少し詳しくご説明します。
(昨日と重複するところもありますがご容赦ください。)

≪年次有給休暇制度≫

年次有給休暇いわゆる「有給休暇」は、
労働者の心身のリフレッシュを目的として定められた休暇です。
会社は勤続6か月以上の労働者に対して、
下記「年次有給休暇の付与日数」を上回る休暇を与えなければなりません。

6か月・・・・・・・・・10日
1年6か月・・・・・11日
2年6か月・・・・・12日
3年6か月・・・・・14日
4年6か月・・・・・16日
5年6か月・・・・・18日
6年6か月~・・・20日
※8割以上出勤が要件
しかし、多くの中小企業では
「有給休暇を取りにくい」という労働者が大半だと思います。
この現状を改善するために、
有給休暇の計画的付与が定められました。
≪計画的付与とは≫

年次有給休暇の計画的付与とは、
「労使協定により、
年次有給休暇の一部をあらかじめ指定された時期に与える」
ことを指します。

「普段はなかなか有給休暇を取りにくいから、
この時期にまとめて取りましょう」
という制度です。

計画的付与は、以下手順により定めることが出来ます。
1.計画の詳細を労使で話し合う。

【職場全体の休業による一斉付与の場合】
具体的な付与日または取得時期・日数の決定
【班などの交代付与の場合】
班ごとの具体的な付与日または取得時期・日数の決定
【個人別に付与する場合】
計画表を作成する時期、手続き等について決定

2.決めた内容について労使間で協定を締結する。
(労働基準監督署に対する届け出は不要)
≪計画的付与制度を生かす具体例≫

現状、有給休暇がまったく取れていない事業所は、
まず

「お盆などの帰省時期や7~9月の行楽時期に
2~3日の有給休暇計画取得を定める」

ことから始めてはいかがでしょうか。
そうすることで、
労働者側から見ると帰省や家族との交流がしやすくなりますし、
会社としても有給休暇の取得率を上げて
コンプライアンス的観点での改善を図りつつ、
従業員満足度を上げることができます。
代替要員の確保が難しい中小企業は、
一括付与すると人手不足に陥ってしまう場合が多いので、
個人別付与をお勧めします。

その際、有給休暇付与もマネジメント力発揮の場と捉え、
以下のような取り組みをすることも効果的です。
●有給休暇取得を奨励する期間・計画付与日数のみを上司に伝え、
割振りは自分たちで考えさせる
●有給休暇の主目的であるリフレッシュの達成度を
チームごとに競ってもらう
●有給休暇取得率を上司・チーム評価の指標の一つにする
従業員の好きなように有給休暇を取得させながら
業績を上げている企業もあります。

本日も、「ひばり人事労務コラム」
お読みいただきありがとうございました。