No.84 「高年齢者雇用安定法」改正 65歳までの希望者全員雇用を義務化 [2013.02.21]

こんにちは。下中です。
本日も「ひばり人事労務コラム」
おいでいただきありがとうございます。
本日は、「高年齢者雇用安定法」の改正についてお伝えします。
「高年齢者雇用安定法」の一部が改正され、
平成25年4月1日から施行されます。
この3月までに整えておきたいものになりますので、
どうぞご確認ください。
大きな改正点は、
継続雇用制度の対象となる高年齢者につき、
「事業主が労使協定により定める基準により限定できる仕組み」
を廃止する。
というものです。
今までも、定年年齢については、
下記の3つが求められてきました。

1.定年制の廃止
2.65歳までの定年引上げ
3.原則は定年60歳でもよいが、
65歳まで継続雇用をする道を残さなければならない
※継続雇用をされるかどうかについては、
労使協定で基準を設けてよい

この中の3番目が改正となり、
「65歳までの希望者全員、会社か関連会社で働ける」
ようにしなければならなくなります。

ただし、急に制度を変えることは難しいので、
以下の経過措置があります。
下記年齢以後は、労使協定による基準を定めてよいのですが、
この3月までに規定する必要がありますので、
不安に思われる会社様は、お気軽にお問合せください。

平成25年4月 ~ 平成28年3月—61歳以上
平成28年4月 ~ 平成31年3月—62歳以上
平成31年4月 ~ 平成34年3月—63歳以上
平成34年4月 ~ 平成37年3月—64歳以上
平成37年4月 ~   —————65歳以上
内閣府の調査(2008年度)ですが、
「何歳まで働きたいですか?」という問いには、
9割以上の人が、「65歳ぐらい~働ける限り」と回答したとのこと。
年齢を重ねても、元気な方が多くなったことと、
雇用や年金制度等への不安が現れているといえます。

《ご参考》
「何歳まで働きたいですか?」
60歳ぐらいまで・・・・・・・・・・ 9.7%
65歳ぐらいまで・・・・・・・・・・19.2%
70歳ぐらいまで・・・・・・・・・・23.0%
75歳ぐらいまで・・・・・・・・・・ 8.9%
76歳以上・・・・・・・・・・・・・・・・ 2.4%
働けるうちはいつまでも・・・・36.8%
この「高年齢者雇用安定法」は、
年金の制度変更と密接に絡んでいますので、
企業に負担をかけているのは不本意ですが、
決まった以上は、上手に利用したいものです。

賃金制度等とご一緒に考えておくと同時に、
転職も応援するようになるとよいと思います。
同じ会社で続ける方法もありますし、
他の会社で経験を活かしたいという人と、
経験を活かしてほしいという会社もあります。

特にベンチャー企業は、
他の会社の定年後の方を積極的に雇入ることも、
一つの方法だと考えられます。
本日も、「ひばり人事労務コラム」
お読みいただきありがとうございました。