No.108 「名ばかり取締役」労災認定 実態で判断明確に?!【ニュースより】 [2013.07.09]

こんにちは。
東京港区の社会保険労務士、下中です。
本日も「ひばり人事労務コラム」
おいでいただきありがとうございます。

本日は、ニュースよりお伝えします。
建築工事会社(東京都千代田区)で、
取締役であった男性が、
基準を超える時間外労働で脳出血を起こし、
亡くなった、取締役であった男性が、
労災認定されたとの発表がありました。

以前に、「名ばかり管理職」という問題がありましたが、
取締役であっても、
実際は「名ばかり」の取締役であるとして、
労働者性が認められたようです。

通常、役員に就任した場合は、
従業員としては「退職する」、
という定めをしている企業様がほとんどかと思います。

今回の案件は、
名前(取締役)貸しの問題もあるようです。
兼務役員という(一部労働者=雇用保険対象)
方々もありますが、
実態を正しく把握し、
管理職にしろ取締役にしろ、
そうであれば労働時間(健康)を気にしなくてもよい、
ということにはならないと思います。
経営との問題も絡みますが、
役職や給料項目など、
名称にかかわらず、
実態で判断される、ということは多くあります。
いろいろな意味で・・・甘い考えは禁物です。
ルール設定はしっかりとなさってください。

そして、それはもちろん大切ですが、
社長様も、
ご自身の健康には十分にお気を付けください。

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「名ばかり取締役」の男性に労災認定 160時間超の時間外労働
産経新聞 7月6日(土)

基準を超える時間外労働で脳出血を起こし、
平成24年5月に亡くなった埼玉県越谷市の会社取締役の男性
=当時(51)=の遺族や担当弁護士が5日、
東京労働局に労災認定されたと発表した。
取締役が労災認定されるケースは珍しいという。

担当弁護士によると、男性は19年、
勤務先の建築工事会社(東京都千代田区)に
「名前を貸してほしい」と言われ、取締役に就任。
報酬手当てはなく、
雇用保険に加入したままの「名ばかり取締役」として、
営業職に従事していた。

遺族側は、男性が死亡前の1カ月、
160時間超の時間外労働を課せられたとしたが会社側は否定。
タイムカードや業務日誌などから
過労と死亡の関係が立証されたという。
今後は損害賠償請求訴訟も検討する。

担当弁護士によると、
中小企業では人数をそろえるため、
実体のない取締役が増加していると指摘。
「取締役でも名ばかりなら労災認定されると知ってほしい」
と訴えた。
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本日も、「ひばり人事労務コラム」
お読みいただきありがとうございました。