こんにちは。下中です。
本日の「ひばり人事労務コラム」です。
本日は、実例からお送りします。
【実例】(設定は、実際とは少し変えています。)
「M社長」は、「B株式会社」(従業員5千人)を早期退職し、
自身で「株式会社MM」を興したばかりです。
新卒でB株式会社に入って以来、営業畑で活躍、
営業部長も任され、部下を育て、その信任も得ていました。
M氏が起業するなら一緒にやりたい、という仲間も多くいました。
まずは、同じ会社出身の、
「総務担当のK氏」と、「営業担当のF氏」で業務をスタート。
M社長は、事務系の業務は苦手で、
営業戦略を練って、F氏とともに営業活動を始めましたが、
事務まわりは、総務部で役職も務めたことのあるK氏に任せました。
次月にはそれなりの人員で本格スタートすることにしたので、
K氏は、いろいろと準備を進め、
「就業規則」も作成することにしました。
K氏は、前職で「就業規則」の作成にもかかわったことがあります。
本格スタートを迎え、
「就業規則」の件は、K氏にすべて任せました。
従業員代表には、営業担当のF氏が立候補し、
他の従業員からも賛同を得ましたので、無事に届出も済ませました。
数か月が経って・・・
K氏が体調を崩してしまい、診断書の提出も受けました。
立ち上げから一緒にやってきた幹部です。
M社長も、休職制度があることは知っていましたので、
しばらく休んで療養に努めてもらおうと思い、「就業規則」を見ました。
「私傷病による休職期間・・・3年」
さ、さんねん?
K氏も、
少し時間はかかると思うけれど、
必ず復帰する、と言っているそうです。
いろいろ調べた結果、給料は、払わなくてもいいらしい、
でも、社会保険料は払う必要があるようだし、
他の従業員に与える影響もあるし・・・
とはいえ・・・今更仕方がない・・・
それにしても・・・
なぜ休職期間を3年にしたのか?
聞くと、K氏は、「B株式会社」の就業規則をもとにして、
「株式会社MM」の就業規則を作成していたのです。
M社長は、起業するときにものの本で、
世間にあるひな形の就業規則では危ない、ということは、
読んだ記憶がありました。
しかし、K氏は、就業規則を作成したこともある総務経験者です。
大丈夫だと思ったのに、かえってそれが逆効果となってしまいました。
幸い、K氏は、約6か月の療養後、仕事に復帰することができました。
M社長は、K氏に、就業規則について率直な希望を述べ、
就業規則の改訂に着手しました。
従業員にとって不利益な変更も含まれますが、
今度こそ、M社長自身が従業員に趣旨を語り掛け、
従業員の賛同を得て、
小さいけれど希望がいっぱいの「株式会社MM」にふさわしい、
新しい就業規則が完成しました。
休職期間は、
勤続年数もからめて1~6か月になりました。
(細かい規定は割愛いたします。)
本日も、「ひばり人事労務コラム」
お読みいただきありがとうございました。