No.90 退職後継続再雇用時の「同日得喪」適用者拡大 「60歳以上」に [2013.03.15]

こんにちは。
東京港区の社会保険労務士、下中です。
本日も「ひばり人事労務コラム」
おいでいただきありがとうございます。

本日は、定年後再雇用された場合の、
いわゆる「同日得喪」の対象拡大についてお伝えします。
退職後継続再雇用された場合、
再雇用された月から、
再雇用後の給与に応じた標準報酬月額に改定できる仕組み
の対象者が「60歳以上の方」に変わります。
(平成25年4月1日施行)
《これまで対象の方》

退職し、継続再雇用された
「60歳から64歳までの厚生年金」を受ける権利がある方
《新たに対象となる方》

①退職し、継続再雇用された
「60歳から64歳までの厚生年金」を受ける権利がない方

②退職し、継続再雇用された65歳以上の方
(※70歳以上の健康保険のみ加入の方を含む。)
これは、今までも「同日得喪」といって、
定年退職により退職し再雇用された場合で、
お給料が下がった場合に、
社会保険料(標準報酬月額)は、
通常は「随時改定」で4か月目から変更されるところ、
資格喪失と資格所得を同時に行うことで、
お給料が下がったときからすぐに変更できる扱いがありました。

同日得喪の取り扱いは、定年退職に限られていましたが、
平成22年9月1日より
定年退職以外の場合にも拡大され、
・定年に達する前に退職して継続再雇用される場合
・定年制のない会社で退職後再雇用される場合
にも適用されるようになっておりました。

契約更新の再雇用に伴い賃金が下がる場合も、
そのつど同日得喪の対象になります。
今後、年金の受給年齢が段階的に上げられていきますが、
この4月から61歳となりますので、
60歳の方が、
「60歳から64歳までの厚生年金を受ける権利がある」
という条件から外れてしまうために、
今回の改正となりました。

併せて、65歳以上の方も対象となりました。
私自身、独立前の最後に働いていた会社では、
シニア層を受け入れる会社であったために、
最初から定年年齢を65歳としておりましたが、
当時は、この定年再雇用時には、同日得喪を使うことができず、
相談の結果、週3日の勤務となった方もありましたので、
大変喜ばしい改正だと思います。
いよいよ新高年齢法が適用されます。
今回はルール整備のポイントがいくつかありますので、
ぜひ今月中に確認をお願いいたします。

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