No.106 長時間労働による過労自殺 6900万円賠償命令【ニュースより】 [2013.07.02]

こんにちは。
東京港区の社会保険労務士、下中です。
本日も「ひばり人事労務コラム」
おいでいただきありがとうございます。

本日は、ニュースよりお伝えします。
運送会社に勤める男性が自殺したのは、
上司のパワハラと長時間労働が原因だとして、
男性の両親が会社と上司に対して、損害賠償を求めた訴訟で、
仙台地裁は25日、会社側に約6900万円の支払いを命じました。

自殺する5か月前から月100時間を超える時間外労働があったとし、
会社の安全配慮義務違反を認めました。

しかし、上司からの、パワハラに対しては、
適切ではないものの、違法性はない、
として請求を棄却しました。
パワハラという訴えは、
「何で出来ないんだ」「バカ野郎」などと男性に言ったとされています。

このような発言は、パワハラであると考えられますが、
今回の判決では認められませんでした。

しかしながら、同様の事例に対し、
今後も認められないとは限りません。
社長や、上司となった方にとっては、
ご自身が優秀であるがゆえ、
社員や部下に対して、
「何で出来ないんだ」と思うことは多々あると思いますが、
社長や上司となったからには、
「出来なくても当たり前」という考えに切り替える必要があります。

今回は長時間労働という問題の方が大きいので、
パワハラはかすんでしまいましたが、
「人を育てる」ということには「我慢」も必要と、
肝に銘じなければなりません。
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新入社員に長時間労働、過労自殺認め賠償命令
2013年6月25日読売新聞

運送会社「岡山県貨物運送」(岡山市)の男性社員(当時22歳)が、
2009年10月に自殺したのは
過労とパワハラによる労働災害として、
宮城県大崎市に住む男性の両親が
同社と当時の会社の上司に
計約1億1200万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が25日、
仙台地裁であった。

斉木教朗裁判長は「新入社員に長時間労働を強いた」として、
同社に約6940万円の支払いを命じた。

判決によると、男性は09年4月に入社し、宇都宮営業所に配属。
リサイクル家電の受け付け事務などを担当していたが、
休日出勤や恒常的に1日15~16時間勤務を強いられ、
同年10月7日、宇都宮市内の自宅で自殺した。

斉木裁判長は
「自殺する5か月前から月100時間を超える時間外労働があった」
とし、
会社の安全配慮義務違反を認めた。

一方、上司に関しては、
「何で出来ないんだ」「バカ野郎」などと男性に言ったパワハラに対し、
「適切ではないものの、違法性はない」
として請求を棄却した。
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お読みいただきありがとうございました。