No.94 「高年齢者雇用対策の推進」新通達〈厳しい内容に〉 [2013.04.22]

こんにちは。
東京港区の社会保険労務士、下中です。
本日も「ひばり人事労務コラム」
おいでいただきありがとうございます。

本日は、「高年齢者雇用安定法改正」に関連してお伝えします。
「高年齢者雇用安定法」の一部が改正され、
平成25年4月1日から施行されたところですが、

厚生労働省のホームページに、
「高年齢者雇用対策の推進」についての新しい通達が掲載されました。

違反があった場合、どのように指導するか、といった内容が中心で、
「厳しくチェックしていく」という内容の通達です。
30人以下規模の小規模企業については、
原則として説明会・会合等の場を活用した「集団指導」をする
とありますが、

「労働者等から法違反の事実の申立てがなされた場合等については、
必要性を判断の上、個別指導を実施する」

「そのために、各公共職業安定所に高年齢者継続雇用相談窓口を設け、
労働者等から法違反企業に係る相談を受け付けていることを周知する」

等の文章もあり、厳しい内容となっています。
「高年齢者雇用安定法」の一部改正についてはこちらを参照ください。
No.84 「高年齢者雇用安定法」改正 65歳までの希望者全員雇用を義務化
定年の制度は特になく、働けるうちは働いてもらう、
といった会社様もある一方で、

定年年齢が60歳で、
65歳までの継続雇用の制度等を定めていない会社様も、
まだおありかと存じます。

定年年齢を上げたり、定年を撤廃すること、
は、難しいとお考えの会社様も多く、
継続雇用制度の導入が最も取組みしやすいと思われます。

継続雇用の制度は、
労働者が希望する場合は雇用しなければなりませんが、
定年前と同じ条件で雇用することまでは求めていません。

この厳しい通達もありますので、
就業規則等を確認いただき、
まだ対策されていない場合は、お気軽にお問合せください。
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≪高年齢者雇用安定法Q&Aより抜粋≫
(厚生労働省ホームページ)

Q:当分の間、60歳に達する労働者がいない場合でも、
継続雇用制度の導入等を行わなければならないのでしょうか。

A:高年齢者雇用安定法は、
事業主に定年の引上げ、継続雇用制度の導入等の
高年齢者雇用確保措置を講じることを義務付けているため、
当分の間、60歳以上の労働者が生じない企業であっても、
65歳までの定年の引上げ、継続雇用制度の導入等の
措置を講じていなければなりません。
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本日も、「ひばり人事労務コラム」
お読みいただきありがとうございました。

 

No.92 がんで8人死亡の印刷会社を強制捜査(労働安全衛生法違反の疑い) [2013.04.02]

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東京港区の社会保険労務士、下中です。
本日も「ひばり人事労務コラム」
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本日は、ニュースからお伝えします。

化学物質等を使用する会社では、
半年に1回の健康診断が義務付けられています。
しかし、法律で決められているから、ではなく、
健康を守るのは会社の責務です。
いろいろとやるべきことも怠っていたようですが、
せめてもう少し早く対応してほしかったと思います。

亡くなられた方のご冥福をお祈りするとともに、
現在健康を崩されている方の回復と、
今後のよりよい対応を願ってやみません。
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胆管がん、8人死亡の印刷会社を強制捜査 大阪労働局
朝日新聞デジタル 4月2日(火)
大阪労働局は2日午前、
従業員ら17人が胆管がんを発症しうち8人が死亡した
大阪市の印刷会社「SANYO(サンヨー)―CYP(シーワィピー)」
について、
労働安全衛生法違反(事業者の安全衛生措置義務違反など)
の疑いで家宅捜索を始めた。

午前9時10分すぎ、
大阪市中央区にある山村悳唯(とくゆき)社長(66)の
自宅兼本社ビルに
大阪労働局の職員4人が入った。
今後、押収書類の分析と関係者の聴取を進め、
会社側が従業員の健康や安全を守るための措置をどう怠り、
被害が拡大したのか解明を進めるとみられる。

厚生労働省は昨年5~6月、
労働安全衛生法で定める事業主の義務を果たしていないとして
同社に是正勧告をした。
違反とされたのは、
(1)定期健康診断結果の報告をしていない
(2)衛生管理者や産業医、安全管理者を置いていない
(3)衛生委員会もなく、作業リーダーの「職長教育」もしていない
――など。
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本日も、「ひばり人事労務コラム」
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No.91 離職票の離職理由欄が変更に—改正高齢法により4月1日より [2013.03.21]

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東京港区の社会保険労務士、下中です。
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本日は、「高年齢者雇用安定法」の改正に伴う、
雇用保険の「離職票」の変更についてお伝えします。
改正高齢法により平成25年4月1日から
「雇用保険被保険者離職証明書」の離職理由欄が変わります。

・定年後の継続雇用を希望していたかどうか、
・希望していたけれど、継続雇用されなかった場合、その理由

上記2つを書くように項目が追加されました。
現在の離職票の「離職理由」には、
「2.定年、労働契約満了等によるもの」
という項目があります。
これを、
「2.定年によるもの」と
「3.労働契約満了等によるもの」に分け、
2の場合の選択項目が追加されました。

具体的には、
定年後の継続雇用を希望していた、けれども継続雇用されなかった場合、

a 就業規則に定める解雇事由または退職事由に該当したため(以下略)
b 平成25年3月31日以前に労使協定により定めた
継続雇用制度の対象となる高年齢者に係る基準に該当しなかったため
c その他(具体的理由)

を選択する必要があります。

この、bの理由は、労使協定で基準を定めるにはこの3月31日まで、
とお伝えした項目になります。
この労使協定を定めていた場合で、
例えば、60歳定年・65歳までの継続雇用制度
(1年ごとの契約更新、61歳以降の雇用は、
上記で定めた基準に該当することが必要)
で、1回目の契約更新時に上記基準に該当せず、
継続雇用制度の契約期間の満了により退職となった場合、

離職理由は「3.労働契約期間満了等によるもの」
となり、
「労働者から契約の更新又は延長を希望する旨の申出があった」であっても、
基準に該当しなかった、という具体的理由を書くことになります。

3月31日までに、
労使協定により継続雇用制度の対象となる基準を定めた場合は、
特に注意なさってください。
関連記事
No.84 「高年齢者雇用安定法」改正 65歳までの希望者全員雇用を義務化
本日も、「ひばり人事労務コラム」
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No.90 退職後継続再雇用時の「同日得喪」適用者拡大 「60歳以上」に [2013.03.15]

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東京港区の社会保険労務士、下中です。
本日も「ひばり人事労務コラム」
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本日は、定年後再雇用された場合の、
いわゆる「同日得喪」の対象拡大についてお伝えします。
退職後継続再雇用された場合、
再雇用された月から、
再雇用後の給与に応じた標準報酬月額に改定できる仕組み
の対象者が「60歳以上の方」に変わります。
(平成25年4月1日施行)
《これまで対象の方》

退職し、継続再雇用された
「60歳から64歳までの厚生年金」を受ける権利がある方
《新たに対象となる方》

①退職し、継続再雇用された
「60歳から64歳までの厚生年金」を受ける権利がない方

②退職し、継続再雇用された65歳以上の方
(※70歳以上の健康保険のみ加入の方を含む。)
これは、今までも「同日得喪」といって、
定年退職により退職し再雇用された場合で、
お給料が下がった場合に、
社会保険料(標準報酬月額)は、
通常は「随時改定」で4か月目から変更されるところ、
資格喪失と資格所得を同時に行うことで、
お給料が下がったときからすぐに変更できる扱いがありました。

同日得喪の取り扱いは、定年退職に限られていましたが、
平成22年9月1日より
定年退職以外の場合にも拡大され、
・定年に達する前に退職して継続再雇用される場合
・定年制のない会社で退職後再雇用される場合
にも適用されるようになっておりました。

契約更新の再雇用に伴い賃金が下がる場合も、
そのつど同日得喪の対象になります。
今後、年金の受給年齢が段階的に上げられていきますが、
この4月から61歳となりますので、
60歳の方が、
「60歳から64歳までの厚生年金を受ける権利がある」
という条件から外れてしまうために、
今回の改正となりました。

併せて、65歳以上の方も対象となりました。
私自身、独立前の最後に働いていた会社では、
シニア層を受け入れる会社であったために、
最初から定年年齢を65歳としておりましたが、
当時は、この定年再雇用時には、同日得喪を使うことができず、
相談の結果、週3日の勤務となった方もありましたので、
大変喜ばしい改正だと思います。
いよいよ新高年齢法が適用されます。
今回はルール整備のポイントがいくつかありますので、
ぜひ今月中に確認をお願いいたします。

関連記事
No.84 「高年齢者雇用安定法」改正 65歳までの希望者全員雇用を義務化
No.87 「中小企業定年引上げ等奨励金」25年3月31日で終了
本日も、「ひばり人事労務コラム」
お読みいただきありがとうございました。

No.89 シリコーン指で出勤偽装—ブラジル【ニュースより】 [2013.03.14]

こんにちは。
東京港区の社労士、下中です。
本日も「ひばり人事労務コラム」
おいでいただきありがとうございます。
本日は、少し毛色の変わったニュースからお伝えします。
外国の話ではありますが、
まるでサスペンスのドラマのトリックのようなことが、
現実に起こっていました。
技術的には可能なんだなと、妙に納得してしまいました。

ここには、出勤(簿)等の管理などの重要性と、
かなりの確率で、パワハラの香りがします。
皆様どう思われますか?

また別途、ブログでも取り上げたいと思います。
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シリコーン指で出勤偽装=いるはずの医師がいない―ブラジル
時事通信 3月13日(水)
【サンパウロAFP=時事】

ブラジルでは、いるはずの医師がいない?

サンパウロ郊外の病院で、
同僚の指をシリコーンで複製し、
指紋認証をすり抜けては、
同僚の出勤記録を偽装する給与詐欺が暴かれた。
医師5人が停職になる騒ぎとなっている。

地元テレビは、
女性医師がシリコーン製の指2本で
同僚の出勤を偽装する様子を放映。
警察に問い詰められた女性医師は
他にも6人の医師が同じことをしていると白状、
「仕事を続けるにはこうするしかなかった」と訴えた。

別のテレビによれば、
事件の首謀者は緊急医療室長。
この室長の娘は3年間で一日も出勤していないのに、
給料を受け取っていた。

地元首長は、
指以外に存在しない病院職員が
約300人いるのではないかと疑っている。
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本日も、「ひばり人事労務コラム」
お読みいただきありがとうございました。

No.88 4月よりの雇用保険料率・健康保険料率(協会)、ともに据え置き [2013.03.11]

こんにちは。
東京港区の社労士、下中です。
本日も「ひばり人事労務コラム」
おいでいただきありがとうございます。

本日は、社会保険関連で、
雇用保険、健康保険(協会けんぽ)の料率についてお伝えします。
25年4月よりの保険料率はどちらも据え置きとなりました。
《雇用保険料》
平成25年度の雇用保険料率は、
平成24年度の料率を据え置き、
一般の事業で1.35%、農林水産・清酒製造の事業で1.55%、
建設の事業で1.65%となります。
これらは平成25年4月1日から適用します。

労働保険料は、昨年度、かなり大きな改訂があり、
ほとんどの業種で引き下げとなりました。
雇用保険の加入条件も厳しくなっておりますので、
従業員のためにも、今回も据え置きは一安心です。

社会保険料は、従業員と事業主の折半が多いですが、
雇用保険料では、
事業主には雇用保険二事業に係る保険料率があるため、
一般の事業1.35%を例に取りますと、
従業員0.5%、事業主は0.85%という負担をします。
労災分は事業主のみが負担します。

4月より新しい年度となります。
労働保険料の更新の準備も少しずつ進めてください。
《健康保険料》
平成25年度の健康保険料率、介護保険料率ともに、
平成24年度のまま据え置きとなります。
なお、健康保険料率は都道府県ごとに決定(全国平均10.00%)、
介護保険料率は全国一律で1.55%となります。
料額表をご覧になる際はお気を付けください。

協会けんぽの健康保険料率は、
平成24年度まで3年連続の引き上げとなり、
労使合計で10%台に達するという状況にあることから、
平成25年度の健康保険料率について大きな議論となっていました。
3年連続の引き上げにも関わらず、
財政状況は悪い状態が続いており、
国庫補助率の引き上げ要請を行うことなどの取り組みが行われ、
平成25年度については、平成24年度から据え置きと決定されました。

健康保険料等も、従業員と事業主が折半しますが、
事業主は、児童手当拠出金の負担が必要です。

また、健康保険・厚生年金は、
4、5、6月の給与による「算定基礎届」により、
9月から1年の標準報酬月額が決定します。
年度末ということもあり、
残業の増える事業所様も多く、
4月ごろの給料が増えることも考えられます。
効率よく業務が進められるよう工夫なさってください。
本日も、「ひばり人事労務コラム」
お読みいただきありがとうございました。

No.86 飲酒強要で「パワハラ」認定 東京高裁が賠償命令【ニュースより】 [2013.03.05]

No.86 飲酒強要で「パワハラ」認定 東京高裁が賠償命令【ニュースより】   [2013.03.05]
こんにちは。
東京港区の社労士、下中です。
本日も「ひばり人事労務コラム」
おいでいただきありがとうございます。
本日も、ニュースからお伝えします。

元社員が、会社と元上司に損害賠償などを求めた訴訟で、
東京高裁が、
飲酒強要を不法行為と認定し、損害賠償の支払いを命じました。
まずはニュース記事をお届けします。

—————————————————–
飲酒強要で「パワハラ」認定 東京高裁が賠償命令
共同通信2013年2月28日

飲酒強要などのパワハラを受けたとして、
ホテル運営会社「ザ・ウィンザー・ホテルズインターナショナル」(東京)
の元社員が同社と元上司に損害賠償などを求めた訴訟の
控訴審判決で、
東京高裁は27日、
一審判決を変更して飲酒強要を不法行為と認定し、
150万円の支払いを命じた。
昨年3月の一審東京地裁判決も
元上司の別の行為をパワハラに当たると判断して
70万円の慰謝料を認めたが、
飲酒強要については訴えを退けていた。
—————————————————–

少々ざっくりとした記事のため、
詳細不明で言及の難しいところがありますが、
一審判決を変更して飲酒強要を認定したことは、
今後にも影響があると思われます。
飲酒の強要は、簡単に考えている方もありますが、
(強要だと思っていない方もあるでしょうが・・・)
飲めない人、強くない人には脅威です。

飲める方は、
飲めない方も「練習すれば飲めるようになる」
と信じている方もありますが、
必ずしもそうではありません。

まして、
学生さんの一気飲みでの事故が多発しましたが、
飲酒にも「致死量」があると言われています。
「死亡することがある」のに「強要する」ことは・・・
ここに表記するのは控えておきます。
いずれにしても、飲酒強要はパワハラということになります。
従業員を大切にすることは、
社長様ご自身を守り、会社を守り発展させることです。
変な常識にとらわれず、
小さなことでも注意が必要ですね。
またこの話は、ブログでも取り上げたいと思います。
本日も、「ひばり人事労務コラム」
お読みいただきありがとうございました。

No.85 米ヤフーが在宅勤務を禁止へ、の波紋【ニュース】 [2013.03.01]

こんにちは。
東京港区の社労士、下中です。
本日も「ひばり人事労務コラム」
おいでいただきありがとうございます。
本日は、ニュース記事よりお伝えします。
米ヤフーが、社員の在宅勤務を禁止し、
オフィスへの出勤を義務付ける方針を決めた、とのこと、
それに対しての賛否両論が流れているようです。

一時期は特に、有用な制度として取り上げられてもいましたが、
「ヤフー」という、実際に在宅勤務を多く利用し、
そのような制度では最先端だと思われる大きな企業が、
逆の方向(?)に行くというのはかなり驚きました。

在宅勤務にはメリットデメリットありますが、
場合によってはとても利用価値のある制度だと思います。
実際に利用していた企業にもいたことがありますので、
(私は毎日出勤していましたが・・・)
両方の考え方を理解することが大事ですね。
導入をお考えの時にはどうぞお声掛けくださいね。

こちらは、発表のあとの「反応」ニュース記事になります。
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米ヤフーが在宅勤務を6月から禁止へ、賛否議論に火花
ロイター2月26日
[ロンドン 26日 ロイター]
インターネット検索大手の米ヤフーが、
6月から在宅勤務を禁止する方針であることが明らかになり、
在宅勤務の是非をめぐる議論を呼び起こしている。
高速インターネットの普及などで
在宅勤務は特に育児世帯などで広がりを見せつつあり、
米労働統計局によると、2010年時点では
フルタイム雇用者の約25%が何らかの形で在宅勤務していた。
また、英産業連盟(CBI)の2011年の調査では、
在宅勤務の仕組みを用意している企業は全体の59%と、
2006年の13%から大きく増えた。
しかし、ヤフーのマリッサ・メイヤー最高経営責任者(CEO)は、
6月以降は在宅勤務を認めない方針を打ち出したという。
複数の新聞サイトなどが26日伝えた同社の内部メモは
「最善の決断や考えは、
社内の通路や食堂での会話からもたらされることがある」
と指摘。
「在宅勤務ではスピードと質が犠牲になりやすい」としている。
メモは人事部門トップの名前で社員に送られた。
同メモについて、
ヤフーの広報担当者は社内の事情については
コメントを差し控えると述べた。
メイヤーCEOの方針に対し、
在宅勤務支持派からは反発の声が上がっており、
ワーキング・マザー誌電子版の広報担当者は
「ものすごく失望した」とコメント。
「彼女の計画は従業員を前世紀に戻すことになる」と厳しく批判した。
また、英ヴァージン・グループのリチャード・ブランソン会長は
ブログで
「在宅勤務の利便性とその効果を考えると、
時代に逆行しているように見える」
と指摘。
「勤務形態のバランスを取るなどすれば、仕事に対する意欲が向上する」
と在宅勤務禁止に否定的な見方を示した。
一方、米マイクロソフトの委託で
欧州15カ国で実施された2011年の調査によると、
在宅勤務の同僚が生産的な仕事をしていると信用するという人は、
回答者1500人のわずか52%。
これを裏付けるかのように、
匿名のヤフー元社員らが技術系ブログ「ビジネス・インサイダー」
に語ったところによると、
在宅勤務者の多くが仕事をさぼっており、
多くの時間を職務以外のことに費やしているとし、
メイヤーCEOの決断を支持している。
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本日も、「ひばり人事労務コラム」
お読みいただきありがとうございました。

No.80 餃子の王将に賠償請求=「長時間労働でうつ病」【ニュース】 [2013.02.05]

こんにちは。下中です。
本日も「ひばり人事労務コラム」
おいでいただきありがとうございます。

本日は、ニュース記事よりお伝えします。
飲食店の従業員が、長時間労働でうつ病になったとして、
損害賠償を求める訴えを起こしたニュースです。
既に労災認定もされておりますが、
影響は大きいです。

以前に、和食チェーン「がんこフードサービス」の
未払残業代での書類送検というニュースをお伝えしましたが、
飲食店では、労働時間の管理等が問題になることが多いです。

労働時間の管理は、飲食店に限らず、
非常に大切です。
そして、
労働時間の管理はメンタルヘルスケアの第一歩といえます。

労働時間の管理は、従業員さんの健康と、「会社」を守り、
さらに発展させるためのものです。

どのような業種であっても、
このような長時間労働はないといわれる会社様でも、
時間だけでなく、環境や管理者の資質など、
会社で何か問題はないか、チェックなさってください。
従業員さんの健康の回復を願っております。

(当記事では、実名を伏せさせていただきました)

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餃子の王将に賠償請求=「長時間労働でうつ病」
―京都地裁
時事通信 2月5日(火)
「餃子の王将」を展開する「王将フードサービス」(京都市山科区)
のAさん(27)=休職中=
が5日、長時間労働でうつ病になったとして、
同社に休業損害や慰謝料など約2300万円の損害賠償を求める訴えを
京都地裁に起こした。

訴状によると、Aさんは2010年1月以降、
正社員として京都府内の店舗で調理などを担当。
うつ病発症の直前6カ月の時間外労働は、
1カ月あたり平均約135時間だった。
さらに、1日10時間を超えた分の労働時間は
賃金に反映されない仕組みで、
サービス残業が常態化していたという。

Aさんは体調を崩し11年4月以降は欠勤。
京都南労働基準監督署は昨年、
長時間労働などとうつ病発症との因果関係を認め、
労災認定した。

Aさんは
「自分と同じ働き方をしている人は他にいる。
会社に職場環境の改善をしてもらいたい」
と訴えている。

原告側の佐藤克昭弁護士は
「全国の外食チェーン店で、
社員や店長の恒常的な長時間労働を当然視する実態があり、
看過できない」
と指摘した。

王将フードサービスの話
訴状を確認できておらず、コメントを差し控えたい。
———————————————–
本日も、「ひばり人事労務コラム」
お読みいただきありがとうございました。

No.79 会社都合で休業-「休業手当」について [2013.02.04]

こんにちは。下中です。
本日も「ひばり人事労務コラム」
おいでいただきありがとうございます。
本日は、
先日のブログでインフルエンザのお話をし、
その時に少し「休業手当」について触れましたので、
「休業手当」の基本をお伝えします。
不景気や業績悪化による会社都合の休業の場合、
従業員の賃金を補償しなくてはなりません。
そのための「休業手当」とはどのようなものでしょうか。
【休業手当とは】

労働基準法では、
使用者の責めに帰すべき事由による休業の場合、
(会社の都合により従業員を臨時に休業させた場合)
使用者は休業期間中、その労働者に、
平均賃金の60%以上
の手当を支払わなければならないとされています。
——————————————————
労働基準法 第二十六条(休業手当)
使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、
使用者は、休業期間中当該労働者に、
その平均賃金の
百分の六十以上の手当を支払わなければならない。
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労働契約にしたがった就労の意思がある労働者に対して、
会社の都合で就労させずに賃金を支払わないことを安易に認めず、
労働者の生活保障をはかるための規定です。
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<使用者の責めに帰すべき事由>

・工場の焼失
・機械の故障
・原材料不足
・資金難
・生産調整のための一時帰休
・監督官庁の勧告による操業停止
など
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<使用者の責めに帰さない事由>

・天災事変による休業
・電休による休業(ただし、諸条件あり)
・法令に基づくボイラー検査のための休業
など

この場合は使用者に休業手当の支払い義務はありません。
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この休業手当は、
労災による休業(労災保険による補償)、
従業員の自己都合による欠勤
とは別物として考えなくてはなりません。
なお、この休業手当は、
労働協約、就業規則又は労働契約により
休日と定められている日については、
休業手当を支給する義務はない、とされています。
本日も、「ひばり人事労務コラム」
お読みいただきありがとうございました。